お悩み
離婚をしたい、でも子供の親権は譲りたくないとお悩みの男性の方へアドバイスです。
男親が親権を取るのは難しいとされていますが、大丈夫です。
親権を勝ち取って、シングルファザーになれる方法を教えます。
結論
別居が重要ポイントです。
目次
- シングルファザーになる理由
- 男親が親権を取るのが難しい理由
- 男親でも親権は取れる
- 離婚調停でやってはいけないこと
- 親権を勝ち取る方法
- 別居の合意を得られない場合
①シングルファザーになる理由
まず初めに、質問です。

死別を除くと恐らく、以下の理由が多いでしょう。
- 妻の不倫
- 妻のDVやモラハラ
- 妻の育児放棄
妻の育児態度が問題で、家庭環境は悪化しており、このままでは子供の将来が不安だと感じたため、シングルファザーとして、自分が子供を育てていくと決断したのではないでしょうか。
苦渋の決断であって、とても辛い判断でしょう。
子供の為にも親権は絶対に取りたいと思いますよね。
親権について夫婦の話し合いで決まれば、楽なことはないですが、ほとんどの夫婦はそうはいきません。
お互いの話し合いでは決まらず、調停及び裁判で争うことになります。
しかし現実は、調停での争いで、男親が親権を取れる可能性は低いのです。
明らかに妻に問題があったとしても、母親が親権者になってしまうのです。
妻に原因があるので、自分が親権者になるのは当然と油断していては、親権争いで負けてしまいます。
シングルファザーになると決断したからには、本記事をきちんと理解して、しっかり親権を取れるように行動していきましょう。
※自分の不貞行為など、明らかに自分側に非がある場合は正直厳しいので、本記事を参考にしても男親が親権を取るのは難しいかもしれません。
②男親が親権を取るのが難しい理由
一般的に男親が親権を取るのは難しいことは、皆さん認識していると思います。
実際に、男親が親権を取れる確率は「20%」以下とされており、親権を取る難しさが数字で表されています。
以下の母子家庭、父子家庭の割合を見ても、親権は約90%母親が取っているケースが多いことがわかります。
年 | 母子家庭世帯数 | 父子家庭世帯数 |
---|---|---|
平成27年 | 793000 | 78000 |
平成28年 | 712000 | 91000 |
平成29年 | 767000 | 97000 |
厚生労働省 平成29年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況
それは、一般的に母親の方が「子供の監護実績」が高いからです。
監護実績とは、親として、子供のそばにいてあげて、食事や入浴などの世話や、しつけ、勉学などの教育、遊びなど育児に関する経験値のことを言います。
比較的に夫は妻より、仕事に出ている時間が長く、子供と一緒にいる時間が少ないことで、育児に関わる実績が妻より劣る傾向にあります。
親権について、裁判所が最も重要としているのが、離婚後に子供が不自由なく幸せに生活できるかどうかです。
今まで子供と多くの時間を接してきて、子供のことを一番に知っており、家事や育児の経験が高い母親を親権者とするのが望ましいと一般的に判断されるのです。
さらに、子供がまだ幼い場合は、母親の愛情がまだまだ必要だと根拠のない考えも加わります。
その為、妻の不倫など、妻側に大きな原因があったとしても、子供のその後の生活を考えると、親権者は母親になる可能性が高いというわけです。
これが母親が親権者になる確率が高い理由になります。
③男親でも親権は取れる
男親が親権を取るのことは難しいと理解したと思いますが、親権者として必要な行動をすれば、男親でも親権を取るのことが可能です。
必要な行動というのは、答えが、②男親が親権を取るのが難しい理由に書いてありました。
男親が親権を取るのが難しい理由は、母親の方が「子供の監護実績」が高いからでしたね。
つまり、裁判官に対して、自分の方が、「子供の監護実績」が高い、これからは自分の方が「子供の監護実績」が高くなる、という印象を与えれば良いということです。
仕事によって、子供と接する時間が少ないだけであって、男親の方が監護実績が高まる可能性は十分にあります。
やっぱり母親には勝てないと考えてはいませんでしたか。
そんなことはありません。
それは母親にしかできないことではないからです。
今、監護実績が妻より劣っていたとしても、これからの行動次第では、自分の方が有利になれるのです。
子供の監護について、自分の方が優れていると裁判官にしっかり証明していきましょう。
親権を勝ち取る方法はとてもシンプルでした。
やるべきことをやっていきましょう。
④離婚調停でやってはいけないこと
離婚調停で親権争いをする際に、やってはいけないことが何点かあります。
まずは、以下の点に注意して、行動していきましょう。
調停は必ず出席すること
調停が始まると、1か月に1,2回のペースで平日に実施されます。
1回の時間は約1時間ほどが多いです。
離婚調停で特に親権が関わってくると、解決まで時間がかかる傾向にあります。
大体、1年~2年はかかるでしょう。
調停で解決できなければ、裁判に発展しますので、さらに期間は延びると思います。
長い間、毎月平日に仕事を休んで裁判所に行かなくてはならない為、けっこうな負担となってきます。
次回の調停日時を決める際も、およそ1か月後に設定される為、その時点で1か月後の予定は予測できないことが多く、とりあえず日程を承諾することとなってしまいます。
その為、調停を基準とした予定を毎月組んでいくことになります。
急な予定で欠席することとなった場合、調停が延期になることはなく、担当の弁護士のみで対応することになります。
仕事などで、なかなか難しいとは思いますが、あまりにも欠席が多いと、親権についてあまり考えていないと判断されやすいので、出来る限り出席するようにしましょう。
自分のステータスを過信しない
調停で親権を争う際に、男親がよく主張しがちなのが、妻は収入が少ない、自分の方が収入が高いし安定した職についているので、自分が親権者として適切だ。です。
実は、これを一番の強みにしていては親権は取れません。
収入の高い低いは、裁判官にとってあまり関係ないからです。
無収入で今後も働ける状態ではないなど、よっぽどの理由がない限り、親権者の判断理由にはならないのです。
当然、収入が高いからといって裁判官のポイントが上がるわけでもありません。
たとえ収入が低かったとしても、相手の収入によりますが、養育費をもらえますし、ひとり親世帯には以下のように手当や支援がたくさんあります。
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収入の高い低いは、親権者を判断するにあたって、あまり重要ではないのです。
自分の方が収入があるので、自分の方が子供を養っていける、安定した職についているから親権者として優れている、と思っていた方は、今すぐその考えを捨てましょう。
子供の意見を強みにし過ぎない
子供が、「ママとは一緒にいたくない」、「パパと暮らしたい」などという気持ちや発言は、男親にとって、とても心強いでしょう。
子供の気持ちが最優先だから、パパと一緒にいたいという子供の考えがあれば、親権は取れるだろうと考えてはいないでしょうか。
しかし、そんなことはありません。
裁判所は、子供の気持ちをまったく尊重しないわけではありませんが、子供がまだ幼い場合(10歳以下程度まで)、子供は自分自身で正しい判断はできないと考えています。
その為、子供の気持ちは参考程度で、父と母のどちらが親権者として優れているかが一番重要なのです。
また、幼い子供にパパとママのどちらと暮らしたいかを決断させるのも良くありません。
子供にとっても離婚はとても辛いことで、今後の生活についてあまり理解できない状態で、子供に決めさせるのは、酷なことです。
そういった行動は、子供に辛いことをさせているとして、親として問題があると判断される可能性があるのです。
パパと一緒にいたいという子供の意見があるので大丈夫と油断しないように、しっかり親権者としての行動をしていきましょう。
離婚後に面会させない態度はNG
仮に親権を取れて離婚が成立した場合、その後に子供を母親に会わせない、会わせたくないという意思表示は良くありません。
相手が今までしてきた行為、離婚に至った経緯を考えると、子供を会わせたくないし、自分も会いたくないという気持ちはとても理解できます。
しかし、どんなに相手に非があったとしても、離婚後の面会は受け入れなくてはいけません。
子供にとっては、離婚したとしてもママであり、会う権利があるのです。
裁判所は、母親と暮らすのは適切ではないが、定期的に少ない時間であれば、母親と会うことは、よっぽどの理由がない限り、子供にとってはプラスなことだとしているのです。
その為、離婚後に面会させないという意思表示をしてては、本当に子供のことを考えていない、自分勝手な考え方をしていると捉えられてしまい、親として適切ではないと判断されていまう可能性があります。
面会したくない気持ちはわかりますが、親権を取る為にも、感情は抑えて、子供の為にも面会は受け入れましょう。
⑤親権を勝ち取る方法
親権を取る上で最も重要なのは、どちらが「子供の監護実績」が高いか、高くなる見込みがあるか、だということは理解できました。
恐らく、現時点では母親の方が「子供の監護実績」は高いでしょうから、男親としては、これから「子供の監護実績」を高めていく必要があります。
では、実際にどうやって「子供の監護実績」を高くしていくのかを説明していきます。
別居が前提条件
結論でも述べたように、別居が重要なポイントとなってきます。
調停が始まっても、今まで通り夫婦で一緒に生活していては、「子供の監護実績」は母親の方が高いままです。
前よりもいくら家事育児を積極的に行ったとしても、母親の協力もあっての家事育児だと考えられてしまい、サポート程度だと判断されてしまいます。
また、裁判官に対して調停期間内に実績を示さなくてはいけません。
そこで、短期間で子供の監護実績を高める為に必要なのが「別居」です。
母親から離れて、子供と一緒に暮らすことで、自分の手で子供を育てることができると証明するチャンスが作れます。
自分には子供を育てる力と環境があることを裁判官に示すことによって、今後、男親と一緒でも子供はきちんと育っていけると判断してもらえるのです。
別居すれば良いというわけではない
無計画に別居して、子供の生活に支障が出てしまっては、親権を取るのは難しくなってきますので、注意してください。
これも、子供のことを考えない、自分勝手な行動だとみられ、親として適切ではないと判断されていまいます。
別居してもきちんと子供を育てていける根拠が必要になってきます。
別居するにあたって特に以下の点についてよく考えてください。
- 金銭的にやっていけそうか
- 自分に家事のスキルはあるか
- 仕事と家事育児の両立はできるか
- 子供を独りにさせる時間はどれくらいあるか
- 子供を預ける環境は整っているか
- 学校などの行事の参加はできそうか
- 健康体で体力的に問題ないか
上記について、自分一人すべて頑張る必要はありません。
難しい場合は、両親などの協力を得て、しっかり環境を整えましょう。
必要な別居期間
別居してすぐに実績を得れるわけではありません。
別居期間としては、およそ半年とされてます。
半年間、問題なく子供が生活できていれば、裁判所としても正しい判断ができるようになります。
親権争いで、親権者にとって調停は長引いた方が良いと言われています。
その理由は別居期間を稼げるからなのです。
別居の期間が短いうちに調停が終わってしまっては、監護実績がほとんど得られない為、出来る限り、別居の期間は長いほうが良いとされています。
別居中の重要なポイント
調停がはじめると、裁判所の調査官と呼ばれる方と面談をしたりすることがあります。
調査官は、中立な立場で、夫婦それぞれの意見や子供の意見などを実際に自分で確認して、どちらが親権者として適切か判断する役目があります。
親を抜きにして子供と一対一で話して、本当の子供の気持ちを理解したり、別居している場合は、実際に別居先に行って、普段子供がどのように生活しているかなどを確認します。
また、子供が通っている学校や幼稚園の先生とも面談をして、普段の学校生活なども確認します。
それらを確認した上で、調査官の見解を裁判官に報告します。
実はこの調査官の見解が裁判所としての判断になるといっても良いです。
裁判官はこの調査官の報告書を一番のポイントとして判決する傾向にあります。
よって、親権を取るためには、この調査官から良い印象を得なければなりません。
調査官から好印象を得るためにも、以下の調査官が別居中にチェックするポイントを押さえておいてください。
これらの点に問題がないように行動する必要があります。
- 子供どのように育てていくか明確なビジョンがあるか
- 仕事と家事育児を両立できるか
- 子供と一緒にいる時間はあるか
- 別居の生活に子供が満足しているか
- 子供が学校や幼稚園が不登校になっていないか
- 子供は友達がいて学校や幼稚園が楽しんでいるか
- 子供は父親のことが好きか
- 別居先で子供が暮らす環境として十分か
- 別居先は清潔に保たれているか
- 別居先での親子の自然な姿を見られるか
- 普段の子供の服装や頭髪は清潔感があるか
- 学校での様子に問題はないか
- 学校や幼稚園の先生からみて父親の印象は悪くないか
- 給食費などの支払が遅れるなどの金銭的な問題はないか
- 同居人がいる場合、子供と上手く生活できているか
家や学校での様子や、毎日子供が楽しく過ごせているかなどを確認して、別居してても男親がきちんと育児できているかどうかを判断します。
別居しても子供が問題なく生活できる環境づくりを意識することが大切です。
これらの点が問題ないと、調査官に判断されれば、裁判菅は親権者は母親よりも、父親が適切だと判断してくれる可能性は高いでしょう。
離婚調停で親権を勝ち取る方法とは、
別居をして「子供の監護実績」を高めることです。
⑥別居の合意を得られない場合
妻から別居の合意が得られそうにない方は、以下の内容を読んで下さい。
結論を言うと、子供と突然家をでるしかありません。
もちろん事前に弁護士に相談してから行いましょう。
子供を連れて突然逃げるなんて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、まったく問題ありません。
親子なので、誘拐でもないですし、妻の不倫やDVが原因で行うことなので大丈夫です。
ただし、以下の点についてしっかり準備しないと失敗に終わるので注意しましょう。
警察へ連絡
母親は、子供がいなくなった、連れ去れれたと分かると、恐らく警察に連絡するでしょう。
大ごとにならないように、家を出たらすぐに警察に電話して事情を説明しましょう。
生活安全課が対応してくれると思います。
警察に連絡なんて緊張するかもしれませんが、何も悪いことをしていないので、安心しましょう。
落ち着いて説明すれば大丈夫です。
おそらく警察の方は、会って事情を聞きたいと言うと思うので、すぐに応じましょう。
警察の方に会ってきちんと事情を説明して、子供の無事な姿を見せれば問題ないことを分かってもらえるはずです。
学校や幼稚園に連絡
母親は警察同様に、学校や幼稚園にも連絡するでしょうから、大ごとにならないように、家を出たらすぐに警察の次に電話して事情を説明しましょう。
今後について、後日話し合っていくことになると思います。
弁護士の連絡先を教える
相手は何が起こったからわからずパニックになってしまいます。
どこに連絡したらいいかもわからないので、妻にはすぐに弁護士事務所の連絡先を教えてあげましょう。
置手紙やLINEなどが良いと思います。
本人には弁護士がきちんと説明してくれるので、大ごとになることなく調停へと進んでいきます。
携帯電話を変える
携帯には妻から多数の電話とメッセージが永遠にくることになるでしょう。
これでは、普通に携帯を使うこともできないですし、普段の生活に支障がでますので、すぐに携帯の電源は落とします。
すぐに電源を落とす理由はもう一つあります。
それは、追跡サービスで位置を特定されないようにする為です。
携帯キャリアによって若干サービス内容は異なりますが、大体は、最後に携帯の電源がついていた場所までは特定できるはずです。
家族名義などで携帯を契約していると、妻でも確認することができますので、すぐに携帯の電源は落とした方がいいのです。
事前もしくは、すぐに新しい携帯を用意しましょう。
子供を連れ去られないようにする
強制的に別居したとしても、途中で母親に子供を連れ去られては、別居が失敗に終わります。
すぐに子供を取り戻すことは残念ながらできません。
こうなると、この件に関しても、調停で長い期間をかけて争わなければならないからです。
なので、相手が子供探していると分かれば、居場所を突き止められないようにするしかありません。
一番問題なのが学校や幼稚園です。
学校に事情は説明してても、学校は中立な立場なので、子供を迎えに来た母親は止めることが出来ません。
母親に勝手に子供を連れ去れれる恐れがある場合は、一旦休学するか、転校するしかありません。
決断するには、とても悩むでしょう。
子供にとってとても辛いことではありますが、きちんと子供に説明して理解を得ましょう。
子供にとって転校は一大事なので、しっかりケアしてあげることが大切です。
休学や転校については、今在学中の学校に相談すれば、手続き方法を親切に教えてくれます。
今後の幸せな生活を手に入れる為に、親子協力して乗り越えていきましょう。